前回は「パスワード」という「家の鍵」のお話をしましたね。今回は、もっと直接的な「玄関のドア」のお話です。
突然鳴り響く電話のベル音。「ドキッ」としませんか? 「誰からだろう?」「急用かな?」と慌てて出てみたら、不用品の買い取りや怪しい投資の勧誘だった…。そんな経験は誰にでもあると思います。
実は今、特殊詐欺(オレオレ詐欺など)の多くは、この「一本の電話」から始まっています。犯人は言葉巧みに私たちを焦らせ、冷静な判断力を奪おうとします。
一番の対策は「怪しい電話には、最初から出ないこと」です。
今回は、スマートフォンやご実家の固定電話で、不審な電話をシャットアウトし、静かで安心な生活を守る方法をご紹介します。
対策1:スマホに「優秀なドアマン」を雇う(番号識別アプリ)

知らない番号からかかってきた時、「出るべきか、出ないべきか」迷いますよね。 そんな時、あなたの代わりに相手の正体を見破ってくれる、頼もしい「ドアマン」のようなアプリがあります。
それが「電話帳ナビ」などの番号識別アプリです。
どんなことができるの?
このアプリを入れておくと、電話がかかってきた瞬間、インターネット上の膨大なデータベースと照合して、画面に相手の情報を表示してくれます。
- 安全な電話の場合: 「〇〇宅配便」「〇〇市役所」のように名前が表示されます。→ 安心して出られますね。
- 危険な電話の場合: 「迷惑電話」「詐欺の可能性あり」「セールス勧誘」のように、注意喚起してくれます。→ 出ずに無視すればOKです。
まるで、電話に出る前に「誰なのか」をこっそり教えてくれる秘書がいるようなものです。これがあるだけで、電話に対するストレスが劇的に減りますよ。
対策2:スマホの標準機能で「門前払い」する(着信拒否設定)
スマートフォン自体にも、知らない電話をブロックする機能が備わっています。とても強力な機能ですが、少しだけ注意点もあります。
iPhoneの方:「不明な発信者を消音」
iPhoneには、電話帳に登録していない相手からの着信を、音を鳴らさずに直接履歴に残す機能があります。
- 「設定」アプリを開く
- 「電話」を選ぶ
- 「不明な発信者を消音」をオンにする
Androidの方:着信拒否設定
機種によって多少異なりますが、「電話」アプリの設定メニューから、特定の条件(非通知など)の着信を拒否する設定ができます。
【重要】ちょっと待って!この機能の注意点
これらのスマホ標準機能は強力ですが、「大切な電話」までブロックしてしまう可能性があります。
例えば、役所、病院、警察などからの重要な連絡が、代表番号以外や非通知でかかってくることがあるためです。この設定を使う場合は、「重要な電話に出られなくなるリスクがある」ことを理解した上で、慎重に判断してください。心配な方は、対策1の「アプリ」を使う方が安全でおすすめです。
対策3:急増中!「国際電話」と「固定電話」の守り方
最近、特に注意が必要なのがこの2つです。
1. 「+」から始まる国際電話詐欺を防ぐ
最近、電話番号の頭に「+1」や「+44」などがついた、海外からの着信が増えています。これらは、ほとんどが詐欺や犯罪グループからの電話です。身に覚えがなければ絶対に出てはいけません。
対策:携帯電話会社の「国際電話着信拒否サービス」を使う ドコモ、au、ソフトバンクなど各社が、海外からの着信を一括で拒否する無料オプションを提供し始めています。ご自身の契約している携帯会社のショップやサポートセンターに相談して、設定してもらいましょう。
2. ご実家の「固定電話」を守る

今、詐欺グループが最も狙っているのが、ご高齢の方が家にいる日中の「固定電話」です。特に最近は、海外を経由した特殊詐欺の電話が固定電話にもかかってくるケースが急増しています。
「海外に知り合いなんていないから大丈夫」 そう思っていても、犯人は無差別に電話をかけてきます。
ご実家の固定電話を守るために、非常に有効で、しかも無料でできる対策があります。それが「国際電話の着信を止める手続き」です。
対策:国際電話不取扱受付センターに申し込む
NTT東日本・西日本が提供している、固定電話(加入電話・INSネット)からの国際電話の発信・着信を休止できるサービスです。 ※ひかり電話などは対象外の場合がありますので、ご契約の電話会社にご確認ください。
申し込みは電話一本で完了します。ぜひ、ご実家の電話から手続きをしてあげてください。
【無料】国際電話不取扱受付センター
0120-210-364
- 受付時間: 平日 午前9時~午後5時(土日祝日・年末年始は除く)
- 手続きできる方: 原則、電話回線の契約者本人(ご家族が代行する場合は、契約者の情報が必要です)
- 対象の電話: NTTの加入電話、INSネットなど
この手続きをすると、海外からの電話がかかってきても、電話機が鳴ることなく自動的に遮断されます。 「呼び出し音が鳴らない」というのが最大のポイントです。ご両親が不用意に電話に出てしまうリスクを、根本から断つことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 電話は便利な道具ですが、時に私たちの平穏な生活を脅かす入り口にもなり得ます。
「知らない番号には出ない」 これが基本ですが、毎回ドキドキするのは疲れてしまいますよね。
便利なアプリや機器に頼って、「出るべき電話」と「出なくていい電話」を自動で振り分けてもらいましょう。 「出ない勇気」を持つことで、あなたと、あなたの大切なご家族の静かな生活を守ってくださいね。
次回は、少し話題を変えて、デジタル生活を豊かにする「写真」の楽しみ方についてお話しします。お楽しみに!


